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名称 | イネス石 (いねすせき) |
英名 | Inesite (イネサイト) |
分類 | 珪酸塩鉱物 (イノ珪酸塩) |
化学式 | Ca2Mn7Si10O28(OH)2・5(H2O) |
結晶系 | 三斜晶系 |
硬度 | 5.5〜6 |
比重 | 3.03 |
劈開 | 一方向に完全 |
断口 | 不均等 |
条痕 | 白色 |
色 | ピンク色やバラ色、紅色、オレンジ色など |
光沢 | ガラス光沢 |
イネス石は、カルシウムとマンガンを主成分とする珪酸塩鉱物で、国内では幾つかの産地が知られているが、世界では珍しい鉱物とも言われている。
主にマンガン鉱床中の浅熱水脈に生成し、石英や菱マンガン鉱などと共に産出するが、変成層状のマンガン鉱床に脈として産出することもある。
結晶は三斜晶系の柱状や針状、繊維状で、しばしば放射状や球状の結晶集合体をつくるが、塊状のものも見られる。
透明から半透明でガラス光沢があり、色はピンク色やバラ色、紅色やオレンジ色をしているが、日光や雨水に長くさらされると、褐色から黒褐色に変色する。
また、条痕色は白色で、断口は不均等。
800℃を超える温度で熱すると、結晶構造が変化し、バラ輝石に変わる。
また、イネス石はマンガン沸石と呼ばれることもあるが、結晶構造が沸石類に似ているわけではない。
写真のものは、静岡県・河津鉱山(閉山)産出のイネス石で、針状結晶の集合体が見られる。
尚、イネス石の英名「Inesite」は、「肉色の繊維」という意味のギリシア語に由来するとされている。