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名称 | 灰鉄柘榴石 (かいてつざくろいし) |
英名 | Andradite (アンドラダイト) |
分類 | 珪酸塩鉱物 |
化学式 | Ca3Fe2(SiO4)3 |
結晶系 | 等軸晶系 |
硬度 | 6.5〜7 |
比重 | 3.9 |
劈開 | なし |
断口 | 亜貝殻状〜凸凹 |
条痕 | 白色 |
色 | 赤褐色や黄褐色、緑色、黄緑色、灰緑色、黒色などさまざま |
光沢 | ガラス光沢 |
石榴石の仲間は、MgやCa、MnやFe、Alなどの主成分の違いによって幾つかの種類があるが、灰鉄柘榴石はカルシウムと鉄を主成分としている。
スカルンや緑色片岩、蛇紋岩などの超塩基性岩、アルカリ火成岩、熱水性鉱脈中に見られ、柘榴石の仲間の中では、もっとも普通に産出する。
磁鉄鉱や黄鉄鉱、斑銅鉱や灰鉄輝石、方解石などと共に産出し、自然結晶は斜方十二面体や偏菱二十四面体、時に二十四面体結晶などの等軸晶系の結晶をつくるが、塊状や脈状、粒状で産出することもある。
色は赤褐色や黄褐色、緑色や黄緑色、灰緑色、黒色など様々だが、条痕は白色をしている。
透明からほとんど不透明だが、ガラス光沢があり、断口は亜貝殻状や凸凹をしている。
また、灰鉄柘榴石は他の石榴石よりもやや軟らかいが、時に細かく砕いて研磨剤として利用されるほか、美しいものは宝石にされる。
屈折率は柘榴石の中ではもっとも高く、透明のものはダイヤモンドよりも大きな光の分散性をもっていて、強いきらめきを現す。
クロムを含む透明度の高い黄緑色や緑色のものはデマントイド(Demantoid)と呼ばれ、宝石として利用されている。
黒色のものはチタンを含んでいてメラナイト(Melanite)と呼ばれるが、黄色い灰鉄柘榴石はトパゾライトと呼ばれることもある。
また、チタンの含有量が鉄よりも多くなると、チタン柘榴石(Schorlomite、ショーロマイト)という別種の鉱物になる。
このほか、灰鉄柘榴石は灰礬(かいばん)柘榴石とは化学組成が連続し、両者は連続固溶体を形成するが、灰クロム柘榴石とは固溶体を形成する。
尚、写真は、奈良県・川迫鉱山(閉山)産出のもの。