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名称 | 菱沸石 (りょうふっせき) |
英名 | Chabazite (チャバザイト) |
分類 | 珪酸塩鉱物 |
化学式 | (Ca0.5,Na,K)4[Al4Si8O24]・12H2O |
結晶系 | 三方晶系 |
硬度 | 4〜5 |
比重 | 2.05 - 2.2 |
劈開 | なし |
断口 | 凸凹 |
条痕 | 白色 |
色 | 無色や白色、黄色・紅色・帯赤色、帯緑色など |
光沢 | ガラス光沢 |
菱沸石は、玄武質溶岩の空洞や一部の石灰岩の中に生成する沸石の仲間で、沸石の中ではもっとも水分が多い。
片岩などの変成岩や、温泉地帯で沈殿して形成された皮殻状鉱物中に生成することもあり、かなり低い温度でも生成され、輝沸石や重十字沸石、灰十字沸石、石英や方解石などと共に産出する。
偽六面体や立方体に近い菱面体の結晶をつくるが、多くは双晶になっていて、レンズ状やそろばん玉状の結晶も見られ、ほとんどの場合、自然結晶で産出するという特徴がある。
色は白色や無色、黄色・紅色・赤色を帯びたものや緑色を帯びたものなどがあるが、条痕はいずれも白い。
また、透明から半透明で、ガラス光沢がある。
断口は凸凹でもろく、密閉して熱すると、水を生じる。
結晶系が似ている方解石とは、菱沸石は酸をかけても発泡しない、菱面体の劈開がないことなどで判別することができる。
このほか、菱沸石は、その成分によって灰菱沸石 (Chabazite-Ca)、ソーダ菱沸石 (Chabazite-Na)、カリ菱沸石 (Chabazite-K)などに分類されるが、ストロンチウムを含むものは
Chabazite-Sr とされる。
また、和名は、菱面体の結晶をつくることから「菱」と付けられているが、「沸石」は、結晶を加熱すると含まれている水分が吐き出されて、沸騰しているように見えることから付けられている。
尚、写真は、静岡県田方郡大仁町(現・伊豆の国市)産の灰菱沸石(CaAl2Si4O12・6H2O)で、菱沸石の中では、もっとも多いと言われている。