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曹長石

 
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名称 曹長石 (そうちょうせき)
英名 Albite (アルバイト)
分類 珪酸塩鉱物
化学式 NaAlSi3O8(Ab100-90An6-10)
結晶系 三斜晶系
硬度 6〜6.5
比重 2.60〜2.63
劈開 二方向に完全
断口 凸凹
条痕 白色
無色や白色、灰色、帯赤色、帯青色、帯緑色など
光沢 ガラス光沢〜真珠光沢


曹長石は斜長石の仲間で、ナトリウムとアルミニウムを主成分として、花崗岩ペグマタイトや安山岩、流紋岩など、多くの火成岩の主な構成物質として生成する。
また、片岩などの変成岩や堆積岩の中に産出するもののほか、曹長石化と呼ばれる変成作用によって、別の長石が変質して生成することもある。

結晶は三斜晶系で、卓状や柱状のものをつくり、双晶のものが多いが、湾曲している薄片のものも多い。
また、板状結晶の集合体で花弁状をなすものもあるほか、塊状や粒状、薄片状などで産出するものも見られる。

色はふつう無色か白色だが、灰色や帯赤色、帯青色、帯緑色のようなものも見られる。
透明から半透明で、ガラス光沢から真珠光沢があり、断口は凸凹している。
条痕は白色で、熱では溶融しにくい。

ところで、曹長石(Ab)は灰長石(An)との間で固溶体を形成するが、灰長石のモル分率により

0-10% を 曹長石 (Albite) = (Ab100-90An6-10)
10-30% を灰曹長石(Oligoclase)= (Ab90-70An10-30)
30-50% を 中性長石(Andesine)= (Ab70-50An30-50)
50-70% を 曹灰長石(Labradorite)= (Ab50-30An50-70)
70-90% を 亜灰長石(Bytownite)= (Ab30-10An70-90)
90-100% を 灰長石 (Anorthite) = (Ab10-0An90-100)

などに分けられている。
但し、分類は厳密なものではない。

このほか、曹長石は多くの産状で普通に産出し、窯業の原料などとして利用されるが、美しいものは装飾用に利用されることがある。

尚、写真は、滋賀県大津市田上山産のもので、板状結晶が集合して花弁状に見える。
また、英名のAlbiteは「白い」を意味するラテン語に由来している。 

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