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名称 | 透輝石 (とうきせき) |
英名 | Diopside (ディオプサイド) |
分類 | 珪酸塩鉱物 |
化学式 | CaMgSi2O6 |
結晶系 | 単斜晶系 |
硬度 | 5.5〜6.5 |
比重 | 3.25 - 3.55 |
劈開 | 二方向に完全 |
断口 | 凸凹 |
条痕 | 白色・灰色 |
色 | 無色から白色、灰色、灰緑色、黄褐色、赤褐色など |
光沢 | ガラス光沢 |
透輝石は、変成岩の多くや塩基性火成岩、スカルン鉱床などに生成する輝石の仲間で、ベスブ石や灰礬(かいばん)石榴石、苦土橄欖(かんらん)石、スカポライト(柱石)などと共に産出する。
結晶は単斜晶系の柱状で、双晶が多いが、塊状や粒状、円柱状や薄片状のものもある。
色は無色から白色や灰色、緑色や黄褐色、赤褐色などで、鉄やマンガンをほとんど含まないものは白色だが、鉄が多くなると褐色となり、マンガンが多くなると灰緑色や青色になる。
条痕は白色か灰色をしていて、透明から不透明に近いものまで見られ、ガラス光沢がある。
また、断口は凸凹で、酸には溶けない。
マグネシウムが鉄に置き換わったものは、暗緑や濃褐色の灰鉄輝石(hedenbergite)、マグネシウムがマンガンに置き換わったものはヨハンセン輝石(Johannsenite)となり、透輝石との間に連続固溶体をつくる。
また、カルシウムの割合が少なくなったものは普通輝石となるが、透輝石には、輝石に特有な劈開のほかに、しばしば一方向によく発達した裂開が見られるが、この割れ目が発達して、真珠光沢や金属光沢があるものを「異剥輝石」(いはくきせき、diallage)と呼ぶことがある。
このほか、透輝石は建築資材や生物活性物質などに利用されるが、色が鮮やかで美しいものは装飾用に利用される。
尚、写真は、岐阜県武儀郡洞戸村(現・関市)・洞戸鉱山(閉山)産出のもの。