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黄銅鉱

 
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名称 黄銅鉱 (おうどうこう)
英名 Chalcopyrite (キャルコパイライト)
分類 硫化鉱物
化学式 CuFeS2
結晶系 正方晶系
硬度 3.5〜4
比重 4.2
劈開 なし
断口 亜貝殻状〜凸凹
条痕 緑黒色
黄銅色
光沢 金属光沢


黄銅鉱は、方鉛鉱斑銅鉱、輝銅鉱や銅藍、赤銅鉱などと共に、金属銅の主要鉱物のひとつとしてよく知られている。

硫化鉱物の鉱床に生成し、熱水鉱脈中では、方鉛鉱や石英、方解石や磁硫鉄鉱、閃亜鉛鉱など共に産出することが多い。
また、黄銅鉱はスカルン鉱床や黒鉛鉱床などにも広く産出し、銅鉱床が変質したところに産出することもある。

結晶は正方晶系の偽四面体のものをつくるが、双晶が多い。
結晶面には条線が見られるが、結晶よりもぶどう状や腎臓状などで産出するものが多い。

色は、いわゆる黄銅色をしているが、大気に長くさらされていると酸化して、青色や紫色を帯びて斑銅鉱に似た色を示し、光沢も鈍くなる。
更に時間が経つと、緑色がかった黒色に変わり、光沢がなくなってしまう。
また、黄銅鉱は徐々に変質して、輝銅鉱や藍銅鉱、孔雀石などの2次銅鉱物をつくりやすい。

不透明で金属光沢があり、劈開はなく、断口は亜貝殻状から凸凹をしている。
条痕は緑色を帯びた黒色をしているが、硝酸に溶け、炎にあてると緑色の炎を生じる

一見すると黄鉄鉱に似ているが、黄銅鉱は黄鉄鉱よりも黄色が強い。
また、黄鉄鉱は黄銅鉱よりも硬度が高く、小さくても結晶質のものが多い。

錆びたものは、表面だけ斑銅鉱とよく似た色を示すことがあるが、この場合、新しい断面を作ってみると判別しやすく、黄銅鉱の断面はすぐに変色しないが、斑銅鉱はしばらくすると変色する。

また、粒状で、石英の中などに見られるものは、金にも似た感じがする。
しかし、金は錆びたり変色することはなく、条痕色も黄金色をしている。
硬度も低く、黄銅鉱は銅貨でも傷つかないが、金は爪でも傷がつくので判別しやすい。

黄銅鉱は、時に多少の金や銀を含むものもあり、含有量が多いものは金銀鉱として利用される。
また、微量の錫、亜鉛などを含み、少量のニッケルやセレンを含むものもある

写真は、和歌山県・那智鉱山産出のものだが、黄銅鉱は、黄鉄鉱に次ぐもっとも広く分布する金属鉱物ともされていて、秋田県の尾去沢鉱山や阿仁鉱山、荒川鉱山、岩手県の釜石鉱山新山などのほか、栃木県の足尾銅山、愛媛県の別子銅山などでも大規模に採掘されたが、現在はいずれも閉山している。

尚、英名の「Chalcopyrite」は、ギリシア語の Chalkos (銅) と Pyrite (黄鉄鉱) が由来と言われている。

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