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名称 霰石 (あられいし)
英名 Aragonite (アラゴナイト)
分類 炭酸塩鉱物
化学式 CaCO3
結晶系 斜方晶系
硬度 3.5〜4
比重 2.93〜2.95
劈開 一方向に完全
断口 亜貝殻状
条痕 白色
無色や白色、灰色、褐色、青色、緑色、赤色など
光沢 ガラス光沢から樹脂光沢


霰石は、玄武岩や石灰岩の空洞や低〜中温熱水脈、スカルン鉱床、広域変成岩、温泉地帯などに広く生成する炭酸塩鉱物で、柱状や針状の細長い結晶をつくり、多くは双晶になっている。
双晶が重なり合うと偽六角形になるが、柱状や鍾乳状、繊維状や放射状のものも見られる。
また、温泉の沈殿物として球状で産出するものも見られるが、鍾乳洞では珊瑚状の鍾乳石となることがあり、これは「山サンゴ」と呼ばれている。

色は無色や白色、灰色、黄色や褐色などのほか、青色や緑色、紫色や赤いものもあるが、いずれも条痕は白い。

透明から半透明で、ガラス光沢から樹脂光沢がある。
劈開は一方向に完全で、断口は亜貝殻状をしている。
また、霰石は、冷たい希塩酸に浸すと泡を出し溶け、紫外線を当てると蛍光を発する性質がある。

ところで、霰石は方解石と同じ化学組成でできいるが、このふたつの鉱物は同質異像で、異なる結晶構造をもっている。
結晶や結晶質塊などでは、方解石のようにはっきりとした劈開が見られないので判別は容易だが、塊状や繊維状などの場合は判別は難しくなる。

いずれも希塩酸に浸すと泡を出し溶けるが、霰石は方解石よりも比重が大きく、高度も高いことなどを参考にして調べるとよい。

このほか、常温常圧では方解石のほうが安定するので、元は霰石として生成したものが、年月と共に霰石仮晶の方解石となっている場合があるほか、霰石を加熱すると、およそ400℃で方解石に変わる。

写真は、埼玉県児玉郡児玉町(現・本庄市)産のもので、放射状になった針状結晶が見られる。

尚、英名の「Aragonite」は、スペイン・アラゴン州周辺で多くの霰石の双晶が産出ことから付けられている。

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