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斧石(鉄斧石)

 
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名称 鉄斧石 (てつおのいし・てつふせき)
英名 Ferroaxinite / Axinite -(Fe)
分類 珪酸塩鉱物
化学式 Ca2Fe2+Al2BOSi4O15(OH)
結晶系 三斜晶系
硬度 6.5〜7
比重 3.32
劈開 一方向に完全
断口 貝殻状〜凸凹
条痕 白色
赤褐色や黄色、褐色、青、紫、灰色など
光沢 ガラス光沢


斧石の仲間は、化学組成の違いから鉄斧石、マンガン斧石、苦土斧石、チンゼン斧石の四種類に分類されているが、いずれも鋭い刃のような板状結晶をつくる特徴をもっている。

ふつう「斧石」と言えば、「鉄斧石」を指していることが多いが、鉄斧石は、カルシウム・鉄・マンガン・アルミニウム・ホウ素などを含む珪酸塩鉱物で、接触変成作用を受けた石灰岩中や変塩基性火山岩中などに生成する。

結晶は三斜晶系の卓状や楔形のものをつくるが、塊状や粒状、葉片状のものも見られる。
色は赤褐色や黄色、褐色、青や紫、灰色などをしているが、条痕はいずれも無色をしている。
透明から半透明で、ガラス光沢があり、断口は貝殻状から凸凹している。
また、斧石類の結晶は異極晶で、電気石類や異極鉱などのように、加熱すると静電気を帯びる焦電性を示す。

ところで、かつてはある種の産状に見出される黒色柱状の結晶を、「Schorl」と呼んでいた歴史があり、斧石も、ほかの鉱物と共に Schorl と呼ばれていた。
その後、Schorl は鉄電気石を指すようになったが、斧石も未だ同種と考えられていたが、更にその後、フランスの鉱物学者・アウイによって新鉱物と認定された経緯がある。

このほか、斧石は熱で溶融しやすいが、きれいなものは稀に装飾用に利用されることがある。

写真は、大分県・尾平鉱山産出の鉄斧石だが、現在、尾平鉱山は閉山している。

尚、和名は、稜の鋭い斧のような結晶の様子から名付けられているが、英名も「斧」を意味するギリシャ語に由来している。
また、「斧石」は「おのいし」と読むが、「ふせき」と呼ばれることも多い。

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