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名称 | 重晶石 (じゅうしょうせき) |
英名 | Barite (バライト) |
分類 | 硫酸塩鉱物 |
化学式 | BaSO4 |
結晶系 | 斜方晶系 |
硬度 | 3〜3.5 |
比重 | 4.5 |
劈開 | 完全 |
断口 | 凸凹 |
条痕 | 白色 |
色 | 無色、白色、褐色、帯赤色、帯青色など |
光沢 | ガラス光沢、樹脂光沢 |
重晶石は火山岩の空隙や熱水鉱脈中に生成する硫酸バリウムからなる鉱物で、石英や方解石、方鉛鉱、黄鉄鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱、苦灰石など共に産出する。
また、温泉地帯に産出することがあるほか、粘土の団塊や堆積層の中の鉱脈などに産出することもある。
名前のように比重が大きく、重いため、見かけのよく似た方解石などと区別することができる。
結晶は柱状や卓状のものをつくるが、多くは板状結晶の集合体や塊状、粒状などで、繊維状や鍾乳状、円柱状などでも産出する。
また、薄片状、鶏冠状や円柱状の晶癖をもつものもあるほか、砂漠地域ではしばしばバラの花のように見える板状結晶の集合体が見られ、これは「砂漠のバラ」と呼ばれている。
色は無色から白色、褐色や帯赤色、帯青色、青緑色のものなどがあるが、いずれも条痕は白い。
透明から半透明で、ガラス光沢や樹脂光沢があり、断口は凸凹している。
中には蛍光を発するものもあり、熱で溶融しにくいが、溶融すると黄緑色の炎を発する。
重晶石は胃のレントゲン検査に使われる「バリウム」など、各種のバリウム塩や白色塗料、発色剤や紙・ゴムなどの増量剤、光学ガラスの原料として利用される。
国内では唯一のバリウム鉱石で、北海道の勝山鉱山や手稲鉱山、松倉鉱山、秋田県の花岡鉱山や小坂鉱山、石川・尾小屋鉱山や京都府の笠取鉱山などから産出されていたが、現在はいずれの鉱山も閉山していて、現在は全量が輸入されている。
写真は、岩手県・鷲ノ巣鉱山産出のものだが、同鉱山もすでに閉山している。
このほか、台湾の台北市北投区の北投温泉と日本の秋田県の玉川温泉からしか産出しない温泉沈殿物の重晶石は、「北投石」、或いは「含鉛重晶石」と呼ばれ、放射性ラジウムを大量に含んでいる。
組成は (Ba,Pb)SO4 で、およそBa:Pb=4:1の割合で含まれている。
尚、重晶石の英名・Bariteは、「重い」を意味するギリシア語barysに由来している。